男も惚れたアラン・ドロンの魅力…引き裂かれた“日本人妻”に最期まで会いたがっていた

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 今年3月、ドロンから電話があって、「懸命に声をふり絞るように“僕は独りぼっちなんだよ”と訴えるんです。そして何度も“会いたい、会いたい”と言ってくれました」。亡くなったのはそれから5カ月後。

 ドロンとベルモンドは生まれも育ちも好対照であった。ドロンは両親が離婚したため寄宿舎に入れられ、たびたび女生徒たちとトラブルを起こしたという。職業を転々とし、演技経験もなしに映画界に飛び込む。ベルモンドのほうは両親共に芸術家で、高校で演劇を学び、初舞台は17歳。ゴダール監督の「勝手にしやがれ」でフランスを代表する映画スターになる。陰と陽。くしくも同じ88歳で亡くなったベルモンドは俳優としては異例の“国葬”になり、ドロンも出席して世界中に式の模様が生中継された。

 ドロンの死をマクロン大統領は「フランスの記念碑」と悼んだ。彼の死を知った夜、「太陽がいっぱい」を見て、一人泣いた。(文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

【連載】週刊誌からみた「ニッポンの後退」

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