1年でγ―GTP半減例も…しじみ汁はやっぱり肝臓に効く
1年後、健康診断の結果を見て驚いた。γ―GTPの数値が「49」にまで激減していたのだ。酒量を減らしたり、食生活を改めたわけでもなかったので、やはりしじみの効果があったのだろう。Tさんは、今もしじみの味噌汁を飲み続けている。
「食と栄養 常識の落とし穴」の著者で、東北女子大家政学部教授の加藤秀夫氏は言う。
「しじみだけの効果とは言い切れませんが、しじみに豊富に含まれているオルニチンやシトルリンなどの遊離アミノ酸が、肝臓の解毒作用をアップさせたのでしょう。人間の体内では、食事などで摂取したタンパク質がアミノ酸に分解され、その過程で有毒なアンモニアがつくられます。アンモニアは肝臓の尿素サイクルによって無毒化されていますが、アルコールを過剰に摂取すると肝臓の処理能力が低下します。オルニチンやシトルリンは肝臓の処理能力を補助する働きがあるのです」
しじみには、100グラムあたり(約35個)10.7~15.3ミリグラムのオルニチンが含まれている。これは、アサリやハマグリといった他の魚介類だけでなく、オルニチンが含まれているチーズなどの食材と比べてもブッ千切りに多い。