絶叫したり、暴言を吐いたり…医師が警告する「危ない寝言」
「認知機能の低下が表れる前に、実際には存在していないものが見えてしまう『幻視』が起こり、進行するとパーキンソン病のような歩行障害を伴うケースが多い。やたらと大声で怒鳴ったり、暴力的になったりするタイプの認知症です」(後藤氏)
パーキンソン病は、脳の神経伝達物質のバランスが乱れて発症する。手足の震え、筋肉のこわばり、歩行障害といった症状が特徴で、日本では20万人も患者がいるといわれている。
ナルコレプシーは睡眠障害の一種で、「居眠り病」とも呼ばれている。覚醒させる神経システムが弱くなるため、一日に何度も急に耐え難い眠気に襲われて眠り込んでしまう。入眠時に幻覚を見たり、睡眠中にマヒが起こるケースも多い。
「いずれも完治するとはいえない病気ですが、早期発見できれば薬物療法で症状を軽くしたり、コントロールすることが可能です。ひどい寝言や寝ぼけが出始めた人は、そうした種類の病気になりやすいということを覚えておくことは大切です」(後藤氏)
また、レム睡眠障害という病気も、Aさんのような症状が表れる。隣で寝ている妻から危ない寝言を指摘されたら、すぐに病院へ行かないと後悔することになる。