専門家に聞く 狭心症治療の新兵器「薬剤コーテッドバルーン」

公開日: 更新日:

 先行して臨床に使われていたヨーロッパでは成績が非常に良く、日本での臨床試験も、薬剤を塗布したステントを使う場合と、ほとんど同じ成績だった。

「バルーンですから、血管に何かを留置するわけではありません。ステントを二重に使った時の問題点が解消されるのです」

 つまり、血流の通り道が狭くなったり、血管の柔軟性が失われることがない。再狭窄を起こしても、何度でも行える。保険承認されたのは「再狭窄(狭心症の再発)」に対してなので、最初の治療にはステントが使われているが、再狭窄を起こした患者には、薬剤コーテッドバルーンを用いる医療機関が増えているという。

 狭心症に対するカテーテル治療の進歩は目覚ましい。実用化はまだ少し先だが、「溶けるステント」は臨床試験が終了。留置したステントが数年以内に溶けて消えるため、血管内に金属の筒を入れることによる柔軟性の低下などの問題点が改善できるのでは、と期待されている。

 もっとも、治療法の進歩より大事なのは、狭心症の原因である動脈硬化を進行させないために、禁煙などの生活習慣改善に取り組むことだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”