運動で風邪は予防できるか
もっともありふれた病気でありながら、医学が進んだ今日でも治すのが難しいといわれるのが風邪です。治療ができないのですから予防が難しいのは当然で、数ある風邪の予防法について、実際に効果がしっかり検証されたものは限定的です。しかし、いくつかの研究では積極的に運動をすることで免疫力が高まり、風邪を予防する可能性があることが示唆されています。ご紹介しましょう。
風邪予防に対する運動の効果を検討した研究は、「韓国家庭医療学会誌」(2014年5月号)に掲載されています。この研究は週に5回以上、定期的にウオーキングなどの有酸素運動をする人たちと、運動しない人たちを比較した複数のランダム化比較試験(前向き臨床研究)を統合解析(メタ分析)したものです。
解析対象の研究を選定するに当たり、この論文著者2人が独立して文献評価を行うなど、結果に偏りが出ないよう配慮がなされています。
風邪の発症については4研究の統合解析(解析対象281人、平均32.8~60.9歳)が行われ、運動した人たち134人中50人が発症、運動しなかった人たち147人中75人が発症し、運動をした人たちで27%統計的にも有意に減少しました。