元テレビプロデューサー 佐藤義和さん(67) 十二指腸潰瘍
十二指腸潰瘍が発覚したのは、「笑っていいとも!」のプロデューサーに就任(1987年10月)してから7カ月後でした。十二指腸の端っこの粘膜がタコ状になっちゃって、胃を3分の2も取る羽目になった。もともとの原因はストレスと酒です。
「いいとも!」がスタートして6年目で、マンネリになってきた頃に僕がP(プロデューサー)になり、スタッフとレギュラータレントを総入れ替えして大胆な改革を行ったんです。
「笑ってる場合ですよ!」や「オレたちひょうきん族」でのディレクター時代は、現場で自分のやりたいことだけをやればよかった。でも、プロデューサーになると、若いスタッフを育てながら社内行政、スポンサー行政、タレント行政などを全部ひとりでやらなきゃいけない。しかも「いいとも!」の大改革が失敗して低視聴率になったら……と思うと、ストレスを毎晩のアルコールでごまかすしかなく、酒量は大変なものでした。
予兆は背中の痛み。針治療ではどうにもならないほどでした。日比谷の病院で検査すると、十二指腸の同じところに潰瘍ができては自然治癒、というのを繰り返していたらしく、硬いタコになっていた。外傷のカサブタと同じで、出血しやすいとのこと。病院の先生から「酒とたばこと今の仕事はやめられないでしょ? だったらすぐ切らないとダメ」と言われ、切る決断をしました。