元プロボクサー 竹原慎二さん(43) 膀胱がん

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 代替の膀胱とはいっても、尿意はないんです。負荷をかけると壊れるので、食べすぎはダメだし、2時間刻みの排尿は必須。夜中も携帯の目覚ましで2時間おきに起きてトイレに行きます。毎日ゆっくり眠れないのが一番つらい。

 でも、こうしてがんと向き合って、人生観が変わったね。今までは「とにかくカネを稼いでやろう」と思ってきたし、それが実現できるのがボクサーだと思っていた。ところが入院して、女房やたくさんの人に支えられ、治療費が1000万円もかかってみて、健康が一番だと実感しました。

 体の不調も不安もあるけれど、仕事に集中すると忘れられるし、経験を話すことで勇気を与えることもできる。これは俺の仕事の特権です。

 去年、うちのジムで女子のチャンピオンが誕生したので、次は男子チャンピオンを育てて、みなさんに勇気を与えたいと思っています。

▽たけはら・しんじ 1972年、広島県生まれ。89年プロデビュー、95年に日本人初のWBA世界ミドル級王座を獲得。現在は、竹原慎二&畑山隆則のボクサ・フィットネス・ジムの会長を務める。ヤフーウェブマガジンで「竹原慎二の続・ボコボコ相談室」を連載。

【連載】独白 愉快な“病人”たち

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