世界が注目 肝臓がん防ぐ「レスベラトロール」最新情報

公開日: 更新日:

 NASH(ナッシュ)と呼ばれる非アルコール性脂肪肝炎は成人の30%を占め、発症すると10年間で20%が肝硬変や肝臓がんに至る重大病だ。このたび、日本の医師が発見した最新情報が世界的医学雑誌「Scientific Reports」に発表され注目を集めている。研究を行った横浜市立大学付属病院肝胆膵消化器病学・結束貴臣医師(写真)に聞いた。

 島根大学医学部薬理学・和田孝一郎教授との共同研究で、結束医師が中島淳主任教授と突き止めたのは、「レスベラトロールが、NASHの『肝硬変や肝臓がんに至る前段階』を食い止める」ということだ。レスベラトロールは、ポリフェノールの一種で、ブドウの茎や皮などの抽出エキスに含まれている。

 NASHは、「肝臓に脂肪が過剰にたまる→炎症が起こって肝臓が腫れ上がる→線維化が進行する」という過程を経て、肝硬変、肝臓がんに至る。結束医師がNASHのモデルマウスを使って実験を行ったところ、レスベラトロールを投与したマウスは、「炎症」と「線維化」が食い止められた。現在はマウスを対象にした研究結果で、人間に対して、どのくらいの量、どのくらいの期間投与すれば効果があるのかまでは分かっていない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由