がん患者こそポジティブに 知っておきたい「3つの事実」
「もちろん、がんと告知された当初は誰もが不安になり、落ち込みます。がんであることが受け入れがたく、がんを否認する日々が続くのです。しかし、多くの患者さんは時間の経過とともにそれを受け入れ、治療に向かう元気が出てきます。それでも、がん患者の2割の方がうつになる。中には『もう死んでしまいたい』と思い込む『希死念慮』に取りつかれる方も、がん患者全体の2%います。しかし、こうしたうつでも、適正な治療で軽減できるのです」
2つめは、がんは特別な病気でなく、ありふれた「慢性疾患」に過ぎないということ。
「がんは基本的に治らない病気です。しかし、がんと同じで『完治しない病気(慢性疾患)』はいくらでもあります。高血圧症、糖尿病、高脂血症、関節リウマチ……。これらの患者さんは皆、定期的に病院に通い、必要があれば治療を受ける。がんも同じです。定期的に検査を受け、症状が悪化すれば治療する。がんを特別視する必要はありません」
そもそも、「がんは死ぬ」というのが間違いだ。厚労省の統計によると、がん自体で亡くなるのは死因全体の3割に過ぎない。がんになっても半分程度はがん自体では死なないのだ。がんの痛みも、「モルヒネなどの薬剤等で99%はコントロールできる」時代だ。