承認新薬は年1回の投与 「骨粗鬆症」治療が大きく変わる
高齢化率33%の島で治療を行う沖本クリニック・沖本信和院長は「骨折そのものは治っても、骨粗鬆症が治ったわけではないので、その治療を行わなければ何度も骨折を繰り返します。新薬であれば、寝たきりで服薬が難しい患者も、治療を継続しやすい」と話す。
■2次骨折の予防に期待
「世界115カ国で当たり前に使われていた薬が日本でようやく承認された。最も期待されるのが2次骨折の予防です」
こう言うのは鳥取大学医学部付属病院リハビリテーション部・萩野浩部長。骨折は連鎖する。最初は、転んだ時に手をつき手首を骨折。手首の骨折が治っても、今度は、何かの拍子で椎体上腕を骨折。さらに足首、大腿骨近位部(股の付け根付近)と続く。なぜなら、前出の通り、骨折が治っても、骨粗鬆症はそのままだからだ。
大腿骨近位部骨折に至ると、3割が寝たきりにつながる。ただちに手術をしないと動けなくなるため、特に防ぎたい骨折だ。
一度骨折すると2次骨折する確率は非常に高い。ある調査では、65~74歳で一度骨折すると、また骨折する確率が約19倍との結果だ。しかも、1年以内など比較的早期に2次骨折を起こす人が多いことも明らかになっている。