エビデンスがすべてでいいのか? 信じれば偽薬も効果発揮

公開日: 更新日:

都内の50代開業医

 最近は医者だけでなく患者さんも、エビデンス(EBM)という言葉を使いたがります。

 しかし、その意味を理解している人は少ないようです。

 通常、信頼性の高い臨床研究といえば、「ランダム化比較試験」を指します。研究中は医師も患者さんも本当の薬なのかプラセボ(偽薬)なのか分からない状態で治療が進みます。その結果、どの程度の治療効果があるかを調べるというものです。

 この「ランダム化比較試験」を複数集めて、高い見地から分析した「ランダム化比較試験のメタアナリシス」が最もエビデンスが高いものと考えられています。次にエビデンスが高いのは「少なくとも一つのランダム化比較試験」です。

 以下、「前向き研究」(研究を計画し、スタート以降に起こる事象を調査する)、「後ろ向き研究」(過去の事象について調査する)、「症例報告」、「専門家個人の意見」などさまざまなレベルのエビデンスが存在します。

 治療法のレベルを扱った論文の信頼度でいうと、「対象者が200人以上、平均追跡期間5年以上、脱落者10%未満」が最も高い、などと決められています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド