突然の脳梗塞…迷わず救急車を呼ぶべき「5つの症状」
どれに属するか? に大きくかかわっているのが、軽い症状にも「びびっと気づき」「早期に来院」することなのだ。
■高齢者の場合「認知症と誤解」
井口教授が注意を促す5つの症状は次の通り。
①片方の腕や脚にマヒ、しびれが起こる。マヒは「動かしたくても動かない」、しびれは「ジンジンしたしびれ」
②ろれつが回らない、言葉が出てこない、他人の言うことを理解できない
③片方の目が見えない、視野の半分が欠ける、ものが二重に見える
④立てない、歩けない、ふらふらする
⑤経験したことがない激しい頭痛
⑤は、くも膜下出血の症状で激烈なので、誰でも危険を感じるだろう。しかし、①~④も突然起こったら、たとえ軽くても迷わず救急車を呼ぶ。
高齢者の場合、「認知症の表れ」と本人も家族も思いがち。たとえ認知症の症状だったとしても、それは検査を受けたからこそわかることであって、MRIなどのチェックは不可欠だ。「私の調査では、病院に入院した脳梗塞急性期の患者で血栓溶解療法を受けることができる割合は全体の5%程度。5つの症状にびびっと気づく人が増えれば、急性期治療を受けることができる患者の割合はもっと増えるでしょう」
症状から脳梗塞を疑った時、救急車を呼ぶのに遠慮はいらない。