お酒が体に引き起こす作用が心臓の負担を増大させる
年末年始はお酒を飲む機会が増える季節です。心臓疾患や生活習慣病を抱えている人はもちろん、そうでない人もアルコールが心臓にどんな影響を与えるかについて覚えておきましょう。
一般的に、アルコールを摂取すると一時的に血圧が下がり、脈拍が増えます。アルコールが体内で分解されるときに作られるアセトアルデヒドという物質が増えて、血管を広げるためです。血圧が下がると、血圧を元に戻そうとして心臓は血液をたくさん送り出します。お酒があまり強くない人が飲むと、心臓がバクバクするのはそのためです。
一方で、長期間の飲酒は血圧を上昇させることもわかっています。血管の収縮反応が高まったり交感神経が活発になって心臓の拍動を速めることなどが理由として考えられています。
また、アルコールには強い利尿作用があり、脱水症状を引き起こします。脱水状態になると、血液の粘度が上がって流れにくくなり、全身に血液を送り出す心臓はそれだけ負担が増大します。
カナダ医師会雑誌に掲載された論文では、心臓病や糖尿病を持っている人のうち、アルコール摂取が少量の人に比べると、中等量や大量の人は心房細動の発症頻度が増加すると報告されています。