健康投資も二極化の時代…医師が指摘「ほどほどが一番」
「高い費用を払って不利益を被っている恐れがあるのです。検診でPETは受けない方がいい」
日本人に多いがんは胃がん、大腸がん、肺がんなどで、この中でPETが見つけやすいのは大腸がんだけ。残りの2つは見逃しやすい。得意の大腸がんだって、PETは被曝リスクがあるが、検便と内視鏡を組み合わせれば被曝リスクなしで低料金で済む。検便なら1000円ほど。高所得者が健康投資を無駄遣いしている一例がこれだ。
■低所得者ほど検診受診率が低い
保険制度は、公務員対象の共済組合、大企業向けの健保組合、中小企業対象の協会健保、自営業者をカバーする国民健康保険に主に分かれる。
「その分類は年収を反映する傾向がありますが、低所得者が多い国保ほど検診受診率が下がる傾向があります」
低所得者は無防備なのだが、知識がないことによるリスクも大きいという。
「たとえば、胃がんは95%がピロリ菌の影響といわれています。胃がん検診が面倒なら、ピロリ菌を除菌すればいいのですが、そういう情報を知らされていないがゆえ、胃がん検診も除菌治療も受けないケースが少なくないのです」