肺、胃腸、心臓の病気は互いに大きく関わっている
大動脈瘤はこれといった自覚症状がないまま大きくなり、突然、破裂して命を落とすケースも少なくありません。早い段階で動脈瘤を発見するために、まだCOPDあるいは胃潰瘍しか症状が表れていない人でも、ほかに不調があればきちんと検査しておくことをおすすめします。
COPDは、たばこなどの有害物質を長期間にわたって吸入することで、肺に慢性的な炎症が起こる疾患です。呼吸困難などの症状が表れることによって、全身にさまざまな合併症を招きます。消化性潰瘍もそのひとつです。
COPDの主な原因である喫煙で胃壁が傷つけられることや、呼吸困難によって低酸素と低栄養状態になり、胃の健康が保たれないなど、さまざまな理由が指摘されています。COPDによって創傷治癒に関わる酵素の働きが悪くなり、消化器にできる潰瘍が治りづらくなるともいわれています。
COPDがあると、心血管疾患を合併する確率も高まります。COPDの患者は、状態が安定していても約30%がうっ血性心不全の所見があるとされています。また、COPDがない人に比べ、心筋梗塞が20~30%多いという報告もあります。