【コレステロール降下薬】効き目は穏やかながら副作用が少ないものも
脂質異常症(高脂血症)には、①高LDLコレステロール血症②高トリグリセリド(TG)血症③低HDLコレステロール血症――があります。一般的には、①や②に対してLDLやTGを下げるための投薬治療をしている患者さんが多いと思います。
脂質異常症は動脈硬化の原因となり、心血管疾患のリスクをアップさせるため予防が重要です。しかし、自覚症状がない疾患だけに治療や服薬に積極的になれない(怠けがちになる)患者さんが多い疾患でもあります。
治療薬は、主に①「LDLやTGの合成を抑えるもの」②「分解を促進するもの」③「吸収を抑えるもの」――の3種類に分類でき、さらに細かく作用機序によって7種類に分けることができます。
それぞれ目的に応じて選択されますが、強力に数値を下げる必要がある場合には、LDLの合成を阻害する「スタチン系」と呼ばれるHMG―CoA還元酵素阻害薬や、「フィブラート系」と呼ばれるTGの合成を阻害する薬が用いられます。
スタチン系もフィブラート系も強力な薬だけに、副作用が出る場合もあります。共通して起こる可能性がある副作用としては横紋筋融解症や肝障害が挙げられます。横紋筋融解症は筋肉が融解・壊死するもので、初期には筋肉痛や血尿を呈します。いずれも血液検査で診断することができるので、スタチン系やフィブラート系を服用していて上記のような症状が表れた場合には、速やかに受診しましょう。