「糖尿病の薬は飲み始めたらやめられなくなる」は大きな勘違い
糖尿病は血糖値が高くなる病気で、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病はインスリン(血糖降下物質)を体内で作ることができないので、治療は投薬によるインスリン補充しかありません。一方、2型糖尿病は糖尿病患者の99%を占めています。生活習慣病として知られているように、加齢に伴い食生活や運動習慣に応じて発症します。
高血糖は、昏睡を引き起こしたり、インスリンを作り出す膵臓にダメージを与えてさらに高血糖を助長する「糖毒性」と呼ばれる負のスパイラルをもたらします。さらに恐ろしいことに、3大合併症と呼ばれる腎症、網膜症、神経症によって、人工透析を受けなければならなかったり、失明したり、手足切断の可能性が出てきたりと、非常にリスクの高い病気といえます。そのため、予防と治療は必須です。
糖尿病の治療に用いられる内服薬は、大きく3種類に分けることができます。①インスリン抵抗性改善薬②インスリン分泌促進薬③糖吸収・排泄調節薬です。①はインスリンの効きをよくする②はインスリンの分泌をよくする③は糖の吸収を抑える、または排泄を促進することで、血糖値を下げます。細かく分類すれば、実に7種類もの内服薬があります。一般的には1剤から始め、効果が不十分な場合には違う作用の薬を2~3種類用いて治療します。