S状結腸がん<1>当初は痔を疑い…診察した医師の第一声は
■すでにリンパ腺にも転移
健康にあまり留意することなく、生活習慣病も気にしない。夜な夜な主に部下と、懇親を図っていた。
それでも顔色が悪い社員を見つけると、「早く、医者に行ってこい!」と、叱りつけていた。
こうして社員の健康には気を使いながらも、実は岡田さん自身、3年も前から不快な自覚症状を抱えていた。定期健診ごとの血便(便潜血)である。
トイレのたびに便を見ると血が混じっており、色が黒いこともあった。でも、痛みを感じるわけでもない。当初、「痔ではないか」と、疑っていたという。
しかし、あまりにも長く続く血便に若干の不安を持ち、一度精密検査を予約した。だが、会社の上司の人事異動などもありキャンセルした。
職務多忙で、平日はなかなか休みがとれない。それでも、妻から背中を押されて、土曜日に診療していた東京・池袋の胃腸科クリニックを訪ねた。
自覚症状を話し、内視鏡検査を受けた後、診察した院長の第一声はこうだった。