S状結腸がん<1>当初は痔を疑い…診察した医師の第一声は
1999年の10月、41歳の若さで岡田隆さんは、「S状結腸がん、ステージⅢb」の告知を受けた。
以来、今日までのほぼ20年の間に、腫瘍は結腸から肝臓、右肺にも転移し、治療のために入退院を30回も繰り返している。
「でもね、治療は“全て医療者にお任せ”のスタンスでいいものか、と思いましたね。自分も何か一緒に向き合っていかなくてはいけないのでは、と」
岡田さんは、治療の合間に何度か米国にも足を運び、「国立がん研究機構」など、いくつものがん治療専門の医療機関を視察。積極的に専門の医療者や、がんセミナー患者グループと接触し、基本的かつ最先端のがん情報を同時に見聞きしてきた。
自宅で留守をしている妻へのお土産は、装飾品類ではない。
「ただひとつ、『元気』な姿だけなんですよ」と笑みをこぼす。
金融機関に勤務し、当時、首都圏の支店に在籍していた岡田さんは体重が75キロ。毎日のように暴飲暴食を繰り返し、たばこも1日60本ほど吸っていた。