心筋梗塞や脳卒中リスクが増加 「三寒四温」は命が危ない
とくに高齢者は、ただでさえ生活習慣病や加齢によって冠動脈や脳動脈の動脈硬化が進んでいる。
気温の低下によって収縮期血圧が一気に20~30㎜Hgも上がる人も珍しくないというから、血管が負担に対応できずに心血管イベントを招く危険がさらに上がる。よりいっそう気を付けたい。
また、日々の寒暖差によって血圧が中等度高血圧の範囲(収縮期160㎜Hg以上、拡張期100㎜Hg以上)を超えて上下動を繰り返していると、動脈の内壁が傷つけられて動脈硬化が進み、さらに血圧の上下動が大きくなっていく。そうした“負の連鎖”が心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクがアップすることもわかってきた。やはり、三寒四温の時期は要注意といえる。
「これから3月にかけては、暖かい日が続いたとしても気を緩めないことが大切です。冬物をしまい込んでずっと薄着で過ごしたり、暖房を完全に切って室温を適度にコントロールすることをやめてしまうのはまだ様子を見てください。急に激しい運動をすることも控えましょう。ヒートショックを防ぐために入浴前に浴室や脱衣所を暖めたり、熱い湯船につかったときはゆっくり時間をかけて出るといった対策も続けたほうがいい」
厚労省の統計によると、心臓疾患による死亡数が最も多いのは1~3月にかけてである。三寒四温の季節は、ポカポカ陽気が続いても気を抜いてはいけない。