脂肪分が多いヨーグルトで動脈硬化が予防できるのか?
乳製品はカルシウムなどを多く含み、健康に良いといわれている一方で、乳脂肪という動物性脂肪が多いことから、生活習慣病の予防には、あまり良くないのでは、という意見もあります。
過去には「一部のがんリスクが、乳製品の取り過ぎにより増加する」という報告も見られました。これまでの多くの研究では、牛乳もヨーグルトもチーズも、同じ乳製品としてひとくくりで議論されることが多かったのですが、最近は「牛乳とヨーグルトやチーズでは、その性質が違う」という報告が多く見られるようになりました。たとえば、一部のチーズが認知症の予防に有効という研究があります。これは牛乳では見られない効果です。
今年の高血圧の専門誌に発表された研究によると、血圧の高い人が1週間に2回以上ヨーグルトを1カップ食べると、ほとんど食べない場合と比較して、男性で21%、女性で17%も、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化と関係のある病気が予防されていました。他の食事バランスも注意している男性では、その予防効果はより高く、30%の低下が認められていました。
ヨーグルトを食べる習慣は、生活習慣病の予防に効果的な可能性が高そうです。ただ、取り過ぎれば、やはり脂肪が多くなりますから、1日に小さなパック1個くらいが適量と考えるのがいいと思います。