著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

脂肪分が多いヨーグルトで動脈硬化が予防できるのか?

公開日: 更新日:

 乳製品はカルシウムなどを多く含み、健康に良いといわれている一方で、乳脂肪という動物性脂肪が多いことから、生活習慣病の予防には、あまり良くないのでは、という意見もあります。

 過去には「一部のがんリスクが、乳製品の取り過ぎにより増加する」という報告も見られました。これまでの多くの研究では、牛乳もヨーグルトもチーズも、同じ乳製品としてひとくくりで議論されることが多かったのですが、最近は「牛乳とヨーグルトやチーズでは、その性質が違う」という報告が多く見られるようになりました。たとえば、一部のチーズが認知症の予防に有効という研究があります。これは牛乳では見られない効果です。

 今年の高血圧の専門誌に発表された研究によると、血圧の高い人が1週間に2回以上ヨーグルトを1カップ食べると、ほとんど食べない場合と比較して、男性で21%、女性で17%も、心筋梗塞脳卒中などの動脈硬化と関係のある病気が予防されていました。他の食事バランスも注意している男性では、その予防効果はより高く、30%の低下が認められていました。

 ヨーグルトを食べる習慣は、生活習慣病の予防に効果的な可能性が高そうです。ただ、取り過ぎれば、やはり脂肪が多くなりますから、1日に小さなパック1個くらいが適量と考えるのがいいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に