高血圧・糖尿病・脂質異常症なら 目のチェックは怠らない
高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある人は、目の症状に注意すべき。定期的な検査が必要な人もいる。梶田眼科の梶田雅義院長に聞いた。
「高血圧をはじめ、動脈硬化を引き起こす生活習慣病患者が大半を占める目の疾患が、網膜静脈閉塞症です」
昨夜までしっかり見えていたのに、朝起きたら、何も見えなくなっていた――。そう訴える患者の血液検査などを行うと、生活習慣病が見つかることもあるという。
網膜静脈閉塞症は、読んで字のごとく、網膜の静脈が閉塞する疾患。
目に入った光の情報は水晶体を通り、網膜の上に像を結び、視神経を通って脳に伝えられ、私たちは「見えているものが何か」を認識する。
網膜内の血管には、動脈と静脈があり、それらは血管の外壁を共有してひとつのさやの中に納まっている。
「動脈硬化が進行すると、網膜内の動脈が硬くなり、静脈を圧迫。すると静脈内の血流が滞り、血栓ができ、閉塞が起こる」
静脈を流れる血液は網膜から視神経へと出ていくが、閉塞すると、その上流部分の静脈から血液や水分が漏れ出し、眼底出血や網膜浮腫(網膜のむくみ)が起こる。