食事のたびに大量の汗が…そんな人には思わぬ病気が潜む
激辛ラーメンのスープを飲むと汗の量が一層多く出るのは、カプサイシンの「痛み」とスープの「熱」がダブルで高温センサーを刺激するからだ。
「このシステムは口腔内を極端な高温などから守るためのものですが、別の効果を生みます。顔や頭に汗をかくことで、汗をかいた部分の皮膚が冷却され、冷えた血液が脳に流れ込むのです。結果、脳がスッキリします。赤道直下の国々や夏の暑い季節にアツアツの辛い食べ物が好まれるのは、これが理由でしょう」
■耳下腺の手術をした人も注意
もちろん、食事をすると、体内での熱産生量が増えて汗をかく。とくに栄養素の中ではタンパク質が最も多く熱産生を行うため肉を食べると汗をかきやすい。
「こうした汗は誰にでも起こる生理現象のひとつですが、その程度がひどい『味覚性多汗症』は、味覚の刺激が過度に働くため、通常の味覚性発汗に比べて異常なほど分泌されます」
この味覚性多汗症を引き起こす病気として知られているのが「Frey症候群」。耳の前下方にある耳下腺には唾液を分泌させる耳介側頭神経と、顔を動かす顔面神経が走っている。そこにできる腫瘍などの手術によって耳介側頭神経が損傷し、その後、誤った経路で神経が再生され、数年後に味覚性多汗を発症してしまう場合があるという。