BMIと心血管疾患の関係では「肥満」も「痩せ」も両方危険
BMIと脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患との関係というと、肥満の人が危険と思われるかもしれません。
しかし、これまでの研究結果は、単純に肥満だけが危険という結果になっているわけではありません。
実際の研究結果を見てみましょう。2013年に日本を含むアジア人100万人以上を対象とした大規模な研究で、BMIと心血管疾患の関係が検討されています。BMIを2.5刻みに分割し、心血管疾患のリスクが示されていますが、22.5~24.9のリスクを1とした時に、25~27.4のリスクが1.09倍、27.5~29.9で1.27倍、30~32.4で1.59倍と、肥満傾向が強くなるにつれて心血管疾患のリスクも増加することが示されています。
しかし同様に、痩せにおいても、BMIが17.5~19.9で1.06倍、15~17.4で1.19倍、15未満で2・16倍と、リスクが高まることが示されており、15未満の重度の痩せは、30以上の重度の肥満よりリスクが高くなっています。
また心筋梗塞、脳卒中に分けて分析しても同様で、肥満だけでなく、痩せでもそれぞれのリスクが増加しています。
世の中では肥満ばかりが取り上げられますが、肥満同様、痩せも心血管疾患のリスクで、さらに最もリスクが高いグループは、BMI15未満の痩せのグループであることが、日本人を含む大規模な研究で示されているのです。