「多剤併用」「長期処方」の患者を手術する際はまず薬の整理をする
そうした患者さんの手術を行う場合、事前入院の期間を長くとってもらい、入院しながら薬を整理していきます。いま飲んでいる薬が効いているのかどうか、本当に必要なのかどうかを見極め、不要な薬を削っていくのです。
まずは患者さんと薬についてしっかり話をします。医療者側がきちんと服用している薬を確認したうえで、「この薬とこの薬を併用して飲んでいると、こんな副作用が出やすいから、こっちの薬を削って、この薬だけを飲むようにしたほうがいい」といったアドバイスを医師と薬剤師の両方で行います。薬剤師の服薬指導の真価が問われます。そうした提案をすんなり受け入れてもらえると、本来の治療もスムーズに進めることができます。
■どれだけ誠意を持って介入できるかが重要
薬を整理して全身状態をコントロールしてから手術を行い、術後は適切な投薬に変更する。患者さんを預かる立場としては、そうしたところまでしっかり考えなければなりません。これが「オーダーメード医療」です。自分が専門にしている治療だけではなく、患者さんの“その先”まで診る必要があるのです。