震災時におびえ症状も 発達障害の子供をどうケアするべき
こうした子供たちは“音”“人と近い距離”“不慣れな場所”が苦手だ。
「声をかけるときは平坦な口調で話しかけましょう。部屋のなかでは隅っこや布団と布団の間に挟まれていると安心します。避難所などでは集団からぽつんと離れていると安心という場合もあることを理解してください」(宮尾院長)
また、発達障害の子供は、不安や恐怖で体が震えたり、被災生活での運動不足で体がムズムズすると、なぜそのような体や心の変化が生まれるのか、その理由を理解しづらい。それを説明してあげることも安心につながる。
「心臓の鼓動が速くなる理由がわからず、パニックになる子供たちもいます。恐怖を感じると人は自然とそうなることを話すと落ち着く場合があります」(宮尾院長)
大きなストレスを感じている子供たちはより睡眠が大切と言うのは独協医科大学埼玉医療センター「こころの診療科」の井原裕教授だ。
「震災後、大人たちは、夜中までテレビやラジオで情報を得ようとしますが、子供は付き合わせない方がいい。子供は感受性も強く、記憶力もよすぎる。衝撃的な映像も音声も、脳裏に刻み込まれてしまいます。睡眠不足が加わると、こだわりやパニックなどの発達障害の症状が強く出ます。だから、生活リズムを変えずに震災前と同じ時刻に寝起きさせましょう」