検査による予後予測から「予防的手術」を実施するケースも
心臓になんらかのトラブルを抱えていて、それが突然死を招く疾患につながるケースは他にもいくつかあります。しかし、そうした疾患の発症リスクを予測できないものも少なくありません。その場合、「予後予測」といって、将来的に心臓のコンディションはどう推移していくか、それがどれくらい全身状態に影響を及ぼすかといったことを予測しながら、いまの時点でどんな介入をしていけばいいのかを判断して対処します。
状況によっては、予防的手術を行うケースもあります。抱えているトラブルと併存する疾患の治療だけでなく、さらにプラスアルファの手術をするかどうかを考慮して判断します。いまはガイドライン上ですすめられている予防的手術もあるほどです。
「予防」といっても、何も病気がない状態で手術をするわけではありません。あくまでも何らかの病気を抱えていて、それが進行しているケースが対象です。そして、抱えている病気自体は単独で治療する段階まで進んではいないけれども、このまま行けば別の深刻な病気を発症する可能性が高い。それならば、いまの進行中の段階で、何らかの手術を行ったほうが患者さんにとってプラスになるだろう。そんな考え方で実施されるのが予防的手術になります。