市原悦子さん急逝 心不全は安静から「リハビリ」の時代へ

公開日: 更新日:

「心不全の患者さんは、うまく退院されても3人に1人は1年以内に症状を悪化させて再入院するといわれていますが、心臓リハビリを行うと、再入院が減ることが分かっています。かつては『心不全の方は安静第一』といわれていましたが、心臓リハビリが絶対に必要なのです」

■歩行器や自転車こぎで毎日1時間

 心臓リハビリとは、運動療法を中心とした生活習慣を改善する総合的なプログラム。心臓リハビリを行うと、行わないグループに比べて死亡数が56%減少し、心筋梗塞を起こさなかった場合と同じ寿命を全うできたとする報告もある。心不全という大きなハンディが、心臓リハでチャラになったのだ。

 心臓リハは、入院中の「急性期」と退院後3カ月くらいまでの「回復期」、さらに生涯を通じた「維持期」の3つに分かれる。金馬が「最初はろれつも回らなかったので、発声練習から始めた」と説明したのは急性期の心臓リハ。運動療法が重要なのが「回復期」以降だ。

「まず運動負荷試験を行って、それぞれの人に適切な運動量を調べます。具体的にはエルゴメーター(自転車こぎ)やトレッドミル(自動歩行器)を使って、心電図や血圧、呼気中の酸素と二酸化炭素などを測定しながら心臓の負担にならず、かつ心臓の機能回復につながる運動量や負荷を探ることになる。ウオーキングもしんどいような方だと、スクワットやかかと上げなどの筋トレからスタートすることもある。そうやって、最大能力の40~60%の強さの運動が適切なレベルです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に