重大病の可能性…声の“しわがれ”や“かすれ”は危険なサイン
普段とは違うかすれ声、しわがれ声、弱々しい声などを「嗄声」と呼ぶ。加齢や声の出し過ぎ、歌い過ぎ、喫煙や飲酒などでも嗄声は起こる。また、風邪をひいたり、乾燥が続いていたりしても、声が変化する。
「しかしこれらは、一時的なものです。たとえば今の季節は乾燥しているため、日常的に声がかすれ気味になりやすいですが、お風呂など湿度の高いところにいれば、自然と声が普通にもどっていきます。怖いのは、継続する嗄声です」(渡邊医師=以下同)
メーカーの営業職で都内在住のAさん(50代)は、ヘビースモーカーであり、仕事柄、夜遅くまでの深酒が習慣化していた。体調が悪くても、「酒か睡眠不足が原因だろう」と考えていた。
ある頃から、声がかすれ始めた。そのうち、食事が喉につっかえるようになってきた。耳鼻咽喉科を受診すると、食道がんが見つかった。
「まさに食道がんは、嗄声が自覚症状のひとつ。それだけではありません。下咽頭がん及び喉頭がん、肺がん、甲状腺がん、進行した乳がんなどさまざまながんが声の変化と関係しています」