重大病の可能性…声の“しわがれ”や“かすれ”は危険なサイン
下咽頭がん及び喉頭がんは、硬いがんが軟らかい声帯部分にできることで、声帯の働きが妨げられ、嗄声となる。一方、食道がん、肺がん、甲状腺がん、進行した乳がんなど声帯と無関係のように思えるがんによる嗄声は、声帯を動かしている神経、反回神経が障害されていることが原因だ。
「反回神経は脳から喉に向かって下行し、喉を素通りして大動脈弓や鎖骨下動脈へと向かい、反回して上行し、声帯へ到着します。この反回神経が接するところには、食道、肺、甲状腺、乳房があり、これらの部位にがんができると反回神経が障害されるのです」
■大動脈瘤の2割は声の変化で発見
同様の理由で、反回神経に隣接する大動脈に瘤ができる大動脈瘤も、声の変化が表れる。瘤が破裂すると高率で死に至る大動脈瘤は、2割が声の変化で発見されるともいわれている。
「発症して早期で嗄声になるか、進行してからかは、病気の種類やがんの位置によって異なります。ただはっきりと言えるのは、声の変化を甘く見てはいけないということです」