著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

全身の対策を 体を老化させる「酸化」「活性酸素」の仕組み

公開日: 更新日:

「腕を錆びつかせない」なんて洒落たセリフがあります。化学的には「錆び」は金属が空気中の酸素によって「酸化」されること、あるいはその結果生じた酸化物のこと。ここだけの話、私は大学で化学を専攻していました。いまではすっかり錆びついていますが、今回は少しばかり磨き直したので、ご安心ください。

 酸化が老化の原因であることは、いまでは誰でも知っています。もちろん、体は有機物でできているので、その酸化の仕組みも生成物も、金属とは全く違っています。しかし、直観的に分かりやすいため、「からだの錆」という表現が使われているのです。

 体の酸化は分子レベルや細胞レベルで生じます。原因となるのが「活性酸素」です。細かく見れば何種類にも分類されるのですが、要は空気中の酸素よりも反応性の高い状態になった酸素のことです。主に細胞内のミトコンドリアで発生します。

 ミトコンドリアは「細胞の発電機」「エネルギー生成工場」などと呼ばれる微小器官です。細胞1個当たりに数千個が、すべての細胞それぞれに入っています。その仕組みは燃料電池とやや似ています。燃料電池が水素と酸素を化学反応させて電力をつくり出すのに対し、ミトコンドリアは細胞内に取り込まれたブドウ糖と酸素を反応させて、化学エネルギーに変換します。生命活動に必要なエネルギーの大半は、こうしてつくられているのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に