血液検査は正常 それでも心筋梗塞のリスクが高い人は?
医学の進歩は著しく、糖尿病、高血圧、脂質異常症など生活習慣病に関していい薬がたくさん出ています。冒頭でも述べたように患者さんの意識も高まってきた。糖尿病をはじめとする生活習慣病に対して正しく認識し、薬を飲むことで、数値は下がりやすくなりました。薬が効きづらい中性脂肪は、数値が食事内容に影響されやすい。管理栄養士の食事指導を参考に、受診日の数日前から食生活に気を付ければ、中性脂肪は下がります。受診は2~3カ月に一度ですから、そう難しいことではありません。
ところが、今の数値がよくても安心できないのが、糖尿病、ひいては血管を傷める病気の怖いところです。糖尿病、高血圧、脂質異常症などは血管をボロボロにして動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めます。
要は、血管を傷める行為がどれだけ繰り返されてきたか。50代になってから糖尿病の治療を受け、生活習慣改善に取り組んでも、20~30代の生活が乱れていたり、肥満の過去があったり、悪玉コレステロールや中性脂肪が高い時期が長く続いていたりすると、それらの悪影響は後々まで続く。「負の遺産」として一生抱えていかなければならないのです。