著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

専門家が検証「良い病院ランキング」は信じられるのか

公開日: 更新日:

 皆さんは病院や医者のランキング本や番組を信じていますか? 誰でも手術をしてもらうなら、神の手のような名医に、サービスの行き届いたキレイな病院でやってもらいたいと思うのではないでしょうか。

 しかし、そうしたトップランクの病院は、本当に良い医療を提供しているのでしょうか? これは簡単には検証できない問題です。

 今年の米国医師会の外科専門誌に、それについての面白い論文が掲載されました。

 アメリカの有名な病院ランキングにおいて、トップランクの病院とランク外の病院とを、医療関連企業のデータを活用して、専門家が検証してみたのです。

 対象となったのは、難しい腹腔鏡を使ったお腹の手術です。手術件数だけで見ると、トップランクの病院はランク外の病院の3倍以上の治療をしていました。しかし、成功率や合併症のデータには、はっきりとした差はありませんでした。ランキングにより違いがあったのは、入院期間やかかった医療費で、トップランクの病院は入院期間が長く、医療費もたくさんかかっていたのです。

 これはアメリカのデータですが、日本でも状況は同じではないかと思います。確かにランキングで上位の病院には患者が集まりますが、医療の質はむしろ落ちることもあるのです。良い病院や名医は、テレビやネットで簡単に見つかる、というものではないようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に