発達障害などで不登校 それでも出席扱いにできる制度がある
■学校復帰が目的だと学校に伝えることが重要
「この制度を利用する上で重要なのが、学校復帰が目的と学校に伝えること。制度自体が学校復帰を目的に作られているものだからです。『学校に行けないので出席扱いに』では却下されるリスクがあり、『学校復帰を目的に出席扱いに』と申請する。結果的に学校復帰がかなわなくても出席扱いとされているケースはあるようです」
不登校になった当初は、子供の気持ちが勉強に向いていない。その状態で親が「勉強」と言うと、心理状態が悪化する可能性がある。タイミングを見て、出席扱いの制度について子供と話し合うことも重要だ。
「私たちが扱った事例では、中1の2学期から不登校のお子さんが、出席日数0日でも修了証書の欠席日数は0日となり、自己肯定感が醸成され元気を取り戻すきっかけになったり、中学時代の不登校時期にITで家庭学習をして出席扱いとなり、高校入学の最初のテストで5教科すべて満点を取ったなど、前向きに人生が進んだケースがたくさんあります」
不登校は一つの選択。罪悪感を覚える必要はない。一方で、不利益を被らないようにしたい。そのための制度だ。
(注)制度名は「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について」