過去に親しんだテキストをもう一度、引っ張り出してみよう
間違いなく優れた認知症予防法である。過去に自分が記憶した知識に触れ直すことで、その記憶にまつわるエピソードの想起を促す効果も期待できる。「この単語は○○大学の試験に出た」、あるいは「このとき、××さんにフラれた」「この漢詩の一節は△△の座右の銘だった」などと、暗記事項の蓄積と同時にさまざまなエピソードが蘇る。これが脳の動きを活発にするのである。
人によっては認知症予防の素材が「赤尾の豆単」ではなく、「大学への数学」であったり、山川出版社の世界史の教科書であったりするかもしれない。暗記をするわけではないが、好きな小説や漫画に触れるのでもいい。「お仕着せ」の脳トレではなく、自分が過去に親しんだ素材を認知症予防のテキストにできるのだ。