米国での「感染性心内膜炎」の増加は現代社会への警鐘
米国で薬物乱用に関連した「感染性心内膜炎」の発症が急増しているという報告がありました。
米クリーブランドクリニック循環器内科の研究によると、米国における感染性心内膜炎の発症は、2002年が1万人当たり18人だったのが、16年には同29人に増加。感染性心内膜炎の患者100万人を対象にした分析では、薬物乱用に関連した感染性心内膜炎の割合は、02年の8%に対し、16年には16%と倍増していることがわかったといいます。
感染性心内膜炎は心臓の内部の構造物に細菌が取りついて起こる感染症で、とりわけ弁膜に巣くって弁を破壊し、心臓弁膜症や心不全を引き起こします。
また、取りついてできた細菌の塊が体のあちこちに飛んで“悪さ”をします。脳に移動すれば脳梗塞の原因になりますし、移動先の血管で動脈瘤をつくり、破裂すれば突然死を招くケースもあります。
薬物乱用が大きなリスク因子であることがわかっていて、不衛生な注射器で静脈注射を繰り返すことによって細菌が侵入しやすくなったり、鼻粘膜が弱くなることでも感染リスクを上昇させるのです。