巻き爪の悩み…ハイヒールをよく履くことに関係があるの?
実際、寝たきりの高齢者の爪は、ほとんどが巻き爪です。痛がらないのは、歩かないからです。体重が足にかからないため、爪が足の指に食い込むことがないのです。
予防法は正しく歩くことにつきます。足の指全体でしっかり地面を踏みしめられる靴を履き、体重のバランスが崩れた、クセのある歩き方を改めることです。
とはいえ、すでに巻き爪になった人は、「痛くて歩くことなんてできない」とおっしゃるでしょう。巻き爪を根本的に治療しようと思えば、手術が一番です。
巻き爪の手術は「フェノール法」が主流です。フェノールとは薬品の名前です。指の付け根に麻酔の注射をして、巻いている爪の端を根元まで切除し、その部分から新たに爪が生えてこないように、爪になる前の爪母細胞をフェノールで焼いてしまいます。
手術は10分程度で終わります。当日から入浴もできます。もちろん、普通に歩くことができます。麻酔が切れた後も痛みのために眠れないようなことはありません。
手術で長年の悩みが解決し、「もっと早く手術すればよかった」という患者さんは多いのですが、手術というと「絶対に嫌」という人もいます。そういう方には巻いた爪をワイヤで矯正する方法が広く行われています。ただし、これは根本治療にはなりません。半数近い患者さんはワイヤを外せば、再び巻いてきてしまいます。
その後のことを考えて、私は手術やワイヤ治療を受けた患者さんにも、インソールを使って足裏のアーチをサポートするようお願いしています。