脳梗塞は病院選びが肝心 最新の血栓回収療法ができるかだ
一方、回復の可能性が見込まれるならtPA静注療法と血栓回収療法を行う、あるいは血栓回収療法だけを行う。
tPA静注療法は血栓を溶かす薬「tPA」を静脈に点滴する。脳梗塞の標準的な治療法だ。
「しかし、発症から4・5時間以内と適応時間が短いため対象となる患者さんは限られます。再開通率も約30%と低く、太い血管が詰まる脳梗塞ではあまり効果は期待できません。血栓回収療法では再開通率90%(14年承認の最新の医療器具を使った場合)で、こちらの方が効果が高い。だから発症から4・5時間以内であれば、tPA静注療法と血栓回収療法の両方を行います」
血栓回収療法の方が効果が高いなら、単体でもいいのでは? との疑問については、併用がいいか、単体がいいかは、はっきりしたデータが出ていないとのこと。併用、単体どちらも一長一短があり、聖マリアンナ医科大学では、tPA静注療法で少しでも血栓が小さくなれば血栓回収療法がやりやすくなること、tPA静注療法は簡単に行えるので血栓回収療法の準備中に開始できることなどから、両方行っている。