子供の頃から海苔を食べ続けていると高血圧になりにくい?
高血圧の発症は遺伝的な要因のほか、食習慣などがその危険因子と考えられています。幼少期の生活習慣は、その後の健康状態に影響を与える可能性がありますが、子供のころからバランスの良い食事をすることで、将来の健康リスクを減らすことができるのでしょうか。
小児を対象に海藻類の摂取と血圧の関連を検討した研究論文が、日本疫学会誌の電子版に2020年3月21日付で掲載されました。海藻類は過去の研究において、血圧を低下させる可能性が示されていました。
この研究では愛知県の幼稚園に通う4~5歳の小児89人が対象となっています。被験者は、標準的な食事に加え、焼き海苔を1日1・76グラム(1パック)食べてもらうグループと、標準的な食事のみを食べてもらうグループにランダムに振り分けられ、研究開始から10週間後の血圧変化が比較されました。
最終的に81人の被験者を男女別に解析した結果、収縮期血圧(上の血圧)の変化は、焼き海苔を食べていた男児で8・29㎜Hg低下した一方、標準的な食事のみの男児では0・50㎜Hg増加していました。拡張期血圧(下の血圧)も同様に、焼き海苔を食べていた男児で6・77㎜Hg低下していましたが、標準的な食事のみの男児では0・05㎜Hgの低下にとどまりました。なお、女児ではグループ間で血圧変化に明確な差を認めませんでした。