自転車通勤は健康に良いがケガも多い 英国で23万人調査
自転車通勤は、車や公共交通機関による通勤と比較して、心臓病や死亡のリスクを低下させることが知られています。適度な運動量が健康に良い影響を与えているのかもしれませんが、自転車は転倒によるケガや交通事故などの危険も伴います。そんな中、通勤手段と負傷リスクの関連性を検討した研究論文が、2020年3月11日付で英国医師会誌に掲載されました。
この研究では、英国に在住している約23万人(平均52・4歳)が対象となっています。研究参加者の通勤手段は徒歩、自転車、車または公共交通機関、それらの混合に分類され、負傷による入院のリスクが比較されました。なお、研究結果に影響を与えうる年齢、性別、高血圧や糖尿病などの身体状況、喫煙・飲酒状況などについて、統計的に補正を行い解析しています。
中央値で8・9年にわたる追跡調査の結果、車または公共交通機関による通勤と比較して、自転車による通勤では負傷による入院のリスクが45%、統計的にも有意に増加しました。特に交通事故が原因の負傷による入院リスクは、3・42倍多いという結果です。その一方で、自転車通勤では心臓病やがんの発症、死亡リスクの低下が認められ、健康に良い影響を与える可能性も示されています。