著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

女性医師が40年かけ開発 “護身用コンドーム”を覚えているか

公開日: 更新日:

 そうです。「RX」の内側には鋭いノコギリ歯のような返し(トゲ)が付いているのです。痛みに驚いたレイプ犯はペニスを腟から引き抜きますが、トゲがガッチリ食い込んだ「RX」はペニスに付いたままです。その隙に女性は逃げたり、反撃することができるのです。レイプ犯が逃げ去ってしまっても心配はいりません。医者に駆け込むしか「RX」を取り外す方法はないからです。これによってレイプ犯は確実に特定され、逮捕されるというわけです。取り外された「RX」は、裁判の証拠としてDNA鑑定に使用することもできるのです。

 実は、この優れモノ「RX」はソネット・テーラーズという女性医師によって開発されました。きっかけは1969年のある夜更けのこと。テーラーズさんはレイプ被害に遭ったひとりの女性と向き合っていました。涙が頬を伝い、恐怖に震えながら彼女はこう言ったそうです。「私のあそこに歯が付いていればよかったのに」――。そこからテーラーズさんは私財をなげうち、約40年かけて完成させたのです。

「RX」はW杯終了後、1個2ドル(約170円=当時)で販売予定とされていましたが、その後、レイプ犯逮捕にどれくらい貢献したかは伝わってきていません。このようなグッズが必要とされない世の中になることを願うばかりです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで