著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

「尿道・膀胱異物」は頻尿や膀胱結石をもたらす危険な行為

公開日: 更新日:

「この世にあるもので、膀胱(ぼうこう)の中にないものはない」――。私が医学生だった頃、東大の有名な泌尿器科の先生から拝聴した言葉です。どういうことかというと、それだけ人は尿道から何でも物を入れてしまうということです。尿道から物を入れて取り出せなくなった状態を「尿道異物」や「膀胱異物」と呼びます。

 どうして尿道に物を入れてしまうのでしょうか。その原因で最も多いのが自慰(尿道オナニー)や性戯で、誤って中に入れてしまうのです。女性の場合は、男性パートナーが入れて遊んでいるうちに取れなくなることが多いようです。尿道・膀胱異物で受診する患者さんは珍しいことではありませんので、それだけ尿道オナニーをする人が一定数いるということでしょう。

 異物の種類は本当にさまざまです。糸類、体温計、鉛筆、針、ヘアピン、箸、綿棒、植物(ワラや茎など)、ストロー、コード類、ゴム製品、シリコーン製品、ロウ製品など。入りそうな物は何でも入れてしまうのです。アダルトグッズの中には「尿道ブジー」と呼ばれる尿道オナニー用のグッズがあります。実は尿道ブジーは、もともとは金属製の棒状の医療器具なのです。どんなときに使われるのかといいますと、尿道外傷、尿道炎、手術後などで尿道が硬く針穴のように狭くなる「尿道狭窄(きょうさく)」を起こしたときです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に