肥満はコロナ重症化の危険因子 フランスの研究者が発表
また、同氏はフランスの成人のうち肥満が占める率と、コロナによる重症患者の肥満の率も比較しました。成人における肥満は15%(14年時点)で、コロナで入院した患者の肥満の割合は25%。
年齢や性で標準化して解析すると、コロナで入院した患者の肥満の割合が、フランス成人人口の1・35倍と高かったのです。同氏は、今回の研究には限界があることと、今後さらなる縦断的研究が必要と述べています。
■ICU管理になるリスクも高い
ところでなぜ、肥満はコロナ重症化の危険因子になるのでしょうか?
それは、肥満がさまざまな悪循環を起こすことと関係しています。
肥満が進むと、体内にある脂肪を蓄積する貯蔵庫「白色脂肪細胞」の体積が大きくなり、数が増えます。すると、生きていく上で必要不可欠なホルモンの分泌量が変化します。具体的には、血液中からブドウ糖を取り込んだり傷ついた血管を修復する「アディポネクチン」、血液中からのブドウ糖の取り込みを抑制する「TNF―α」や「レジスチン」、血管収縮作用のある「アンジオテンシノーゲン」、食欲抑制などの作用がある「レプチン」、止血作用のある「PAI―1」など。あるホルモンは分泌量が増え、あるホルモンは分泌量が減るのです。