睡眠は夏は冬より短い 必要な時間は季節によって変動する
もっと眠れるのにもったいない……夏になると朝早く目覚めてしまって、こんな不満を抱く中高年が少なくありません。そんな人の多くは「睡眠は8時間が理想的」「6時間は眠らないとダメだ」といった思い込みに縛られています。
そもそも、必要な睡眠時間の長さは個人によって異なります。近年、睡眠のタイプはその半分が遺伝子で決まると考えられていて、遺伝子の違いによって必要な睡眠時間が短めの人と長めの人がいます。
また、残りの半分は生活習慣で決まります。たとえば、長年にわたって短時間睡眠を求められる職業に就いてきた人は、退職後も長く眠れなくなります。つまり、必要な睡眠時間は人それぞれで、遺伝子や勤務形態の違う人と比べても意味がないのです。
以前もお話ししましたが、睡眠時間は年齢によっても変わってきます。10代の頃は「いくら眠ってもまだ眠い」というくらい長く眠れますが、50代後半になるとそれほど長く眠らなくなります。年齢を重ねるほど日中のエネルギー消費量が低下するため、必要な睡眠時間が短くなるのです。