下半身の感覚がなくなって…ヤマザキモータースさんADEMを語る
「何ですか?」と聞くと、僕が着ていたTシャツを指さすので、ふと見たら胸にでっかく「THE END」の文字。狙ったわけじゃないですけど、洒落がきいていました(笑い)。
リハビリで感覚が徐々に戻ってきた間は楽しかったですが、2~3年もすると停滞して、そこから先はずっと横ばい。幸運にも、脳の炎症による障害は出なかったものの神経の通りが悪いので、ジッとしていると筋肉が硬直しやすいんですね。ただ、初めはベッドで起き上がることすらできなかったのですから、こうして杖なしで歩けるようになっただけでもありがたいことです。
病気になって感じたのは、日本の医療制度の素晴らしさです。僕、民間の医療保険には一つも入ってなかったので、売れっ子芸人に借金して月60万円ほどの入院費を払っていたんです。
けど、国民健康保険には「高額療養費制度」というものがあるのを人生で初めて知りまして、申請したら自己負担額は月数万円で済みました。長いこと国保を納めてきて心底よかったと思いましたね。
つくづく自分一人で生きているんじゃないと思いましたし、社会というコミュニティーの中で人とつながって生きていくことが大事なんだと思いました。