コロナ禍で自宅にこもる今年は「冬疲労」に気をつけたい
コロナ禍の真っただ中にある今年の冬は、多くの人がなるべく外出を避けて自宅にこもりがちになっている。そのため、寒さに適応できるように体を徐々に寒さに慣らしていく機能=寒冷順化が不十分な人がたくさんいる。
体が準備不足なまま暖房の効いた暖かい部屋から気温の低い室外へ出ると、なおさら自律神経はフル回転を強いられ、疲弊してしまう。
「湿度が50%の環境の場合、寝室やリビングの室温は20度前後が理想的とされています。しかし、部屋にこもりがちな生活を続けていると、20度前後でも寒く感じるため、暖房を強めて25度以上の環境で過ごしている人も多い。そうした人がたまの機会に外出すると、さらに寒暖差が大きくなり、なおさら自律神経の働きが追いつかなくなってしまいます」
冬の寒暖差は室内と屋外だけで生じるわけではない。部屋の中でも寒暖差が生まれ、自律神経に負担を与えるという。
「暖房設備を稼働させたとき、冷たい空気に比べて体積が大きい暖かい空気は部屋の上にたまります。そのため、足元は冷えているのに頭部が温まっている状態が続き、脳がのぼせてしまうケースも少なくありません。『のぼせ』は脳温度が上昇し体温をコントロールする力、すなわち自律神経の疲弊を意味します」