食物アレルギーは治るのか…食べ続けたらどうなる?
クリニックでは、「ちょっとかゆくなるけど好物なので食べちゃダメですか?」と聞かれることがあります。基本的にできる限り避けてほしいですが、「口の周りがかぶれるだけ」「皮膚がかゆい気がする」といった症状なら重症リスクは少ないといえます。逆に食べたときに「喉がいがいがする」「息苦しくなった」という症状が出た食品は絶対にやめてください。必ず吐いたり、下痢をする食品も重症化リスクがあります。
食物アレルギーに対する根本治療としては、経口減感作療法があります。特に小児の食物アレルギーには効果的で、患者さんのアレルゲンとなる物質を少しずつ体内に入れることで耐性を付ける治療です。たとえば生のエビはアレルギーが出てもボイルなら食べられる場合、減感作療法によって完治するケースもあります。
大人の方がどうしてもガマンできない場合は、医師に相談のうえで抗アレルギー薬(ヒスタミン剤)を内服しながら、食べて試してみるのはどうでしょうか。
▽山本悠太(やまもと・ゆうた) 2012年3月、慶応義塾大学医学部卒業・医師免許取得。14年3月「佐野厚生総合病院」で初期臨床研修修了。4月から慶応大学医学部内科学教室入局。16年4月に同内科学(消化器)教室入局・上部消化管班所属、機能性消化管疾患の臨床研究や診療に携わる。18年3月「慶応義塾大学病院」で後期臨床研修修了。19年8月「銀座まいにちクリニック」開業、院長を務める。