ワクチン接種後の「胸痛」にご用心 心筋炎の報告が相次ぐ
死亡は医療機関または製造販売業者から今月4日までに計196人報告された。国際基準に基づくアナフィラキシーと判断されたのは、先月30日までに計169件だった。なお、モデルナは重篤・死亡とも報告時点でゼロだった。
コミナティの副反応疑いの報告頻度を比較すると前回0・14%が今回0・08%と大幅に減少したのは不可解だが、合同部会は重篤者・死亡では前回と大きな差は表れなかったとしてワクチンの安全性については引き続き「重大な懸念は認められない」とした。
そんななか新たにクローズアップされたのは心筋炎だ。米疾病対策センター(CDC)が10日発表した暫定調査によると心筋炎発症者のうち半数以上が12~24歳で、接種者全体に占める割合は9%未満だったという。また、16~24歳のうち2回目接種後に心筋炎を発症したのは283人で、予想の10~102人を大幅に超過。8割近くが男性だった。日本では先月22日以降、医療機関から5件、製造業者から8件報告がある。
委員からは「軽度でも後遺症は出る可能性はないのか?」などの声が上がった。専門委員は「ごくまれで、ほとんどが軽症」として、接種後心筋炎で入院した20代男性の例を説明した。血液検査で心筋炎マーカーの数値の上昇は見られたものの器質的変化はなかったという。ただし、「軽度の心筋炎は疑ってかからないと見つけられないため副反応としての心筋炎はもっと多いのではないか」として注視することになった。