ムカデ咬傷の6割は夜間に自宅で受傷 半数以上は夜間救急へ
痛みに対する応急処置として「43℃以上に温めるとよい」と昔から言われてきました。実は海外でも同様で、患部を火傷しない程度に温めるとよいとされています。ムカデ毒には数種類の酵素が含まれているのですが、高温によってそれらが失活するからだと考えられています。逆に氷などで冷やすのも有効と言われています。低温にすると、やはり酵素の働きが鈍くなるからでしょう。
鎮痛剤や局部麻酔の効果は、温めたり冷やしたりするのと大差ないといいます。慌てて病院に行っても、お湯で温めて抗ヒスタミン薬やステロイド薬の軟膏を塗ってくれる程度です。家で応急処置をして翌日の日中に受診しても、あまり違いはありません。病院には行かず、そのまま家で手当して済ませてしまう人もかなりいるようです。何もしなくても、痛みは1~2時間で和らいできます。
■アナフィラキシーショックで亡くなる人がいる
ただし「アナフィラキシー」(全身性のアレルギー反応)を発症する人がいるので、それだけは注意が必要です。滅多にないことですが、ムカデ咬傷で亡くなる人もいます。国内でも、2019年に80代女性が1人、2017年に70代男性が1人亡くなっています。死亡統計の数字だけでは症状は読み取れませんが、おそらくアナフィラキシーショックによるものと思われます。