ギター講師の黒河内直樹さん語る「局所性ジストニア」との壮絶闘病
黒河内直樹さん(ギター教室講師/38歳)=局所性ジストニア
病気の兆候が表れたのはプロギタリストを目指して音楽専門学校に通っていた頃でした。4年制の最上級生で、すでに少しずつプロ活動を始めていました。
ある日、練習しようとギターを抱えて右手でピック(弦をはじく爪に代わる道具)を持ったときに、突然その手がこわばったのです。
指がギュッと固まってしまう感覚で、「おや? なんかおかしいぞ」と思いました。でも、当時はいろいろなギタリストのビデオを見てはフォームを真似て、その弾き方を自分のものにしようと必死だったので、「一時的なものだろう」と軽く考えていました。
それが一時的どころか日に日にひどくなり、1~2週間もするとギターを構えただけで右腕が固まるようになったのです。さらに数年たつと字を書いたり、食事をするといった生活動作にも支障が表れ始めました。
いよいよおかしいと思い、整形外科を受診したけれど原因がわかりません。
当時は自宅にネット環境がなかったので自力で調べることもできず、半年間ぐらい整形外科を転々としました。